第33回一般社団法人日本顎関節学会総会・学術大会(33rd. Annual Meeting of the Japanese Society for the Temporomandibular Joint.)

大会長挨拶

  • 第33回一般社団法人日本顎関節学会総会・学術大会
  • 大会長 矢谷 博文
  • (大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能再建学講座 クラウンブリッジ補綴学分野)
大会長:矢谷 博文 写真

第33回一般社団法人日本顎関節学会総会・学術大会を令和2年(2020年)7月4日(土)・5日(日)の両日に渡り、京都市の京都テルサを会場として開催させていただきます。伝統ある日本顎関節学会学術大会の大会長を務めさせていただくことは身に余る光栄と存じております。ここに謹んで大会長として、ご挨拶申し上げます。

第33回総会・学術大会のメインテーマは、「挑戦する、変化する、進歩する」といたしました。これまでに依然として明らかにされていないテーマへの「挑戦」、新しいエビデンスに基づく従来の考え方の「変化」、そしてこれらを元にした次世代への「進歩」を具現化できるよう、学術大会を企画しました。

まず海外特別講演として、睡眠時無呼吸症候群や睡眠時ブラキシズムの世界的権威であるオランダのアムステルダム大学教授 Frank Lobbezoo 先生をお迎えし、睡眠時無呼吸症候群に関する最新の知見をご講演いただきます。また、国内特別講演として、私がわが国で最も慢性痛に通暁されていると信じる福島医科大学整形外科学教室客員講師の半場道子先生に、慢性痛の脳内機構に関するご講演をお願いしています。ご両人に特別講演の依頼を快くお引き受けいただいたおかげで大変に豪華な特別講演が実現することになりました。

シンポジウムに関しては、メインシンポジウムとして、病態分類委員会から「日本顎関節学会の顎関節症診断基準2019」を概説していただきます。今後、わが国ではこの診断基準に従って顎関節症を診断していただくことがゴールドスタンダードとなります。その意味において、少しでも多くの方に聴講していただくことを期待しております。シンポジウム1では、「顎関節円板障害・変形性顎関節症に対する運動療法」を取り上げます。今や両病態に対するファーストチョイスの治療法と認識されるようになった運動療法の具体的な内容について紹介していただきます。シンポジウム2は、臨床医の会に素晴らしい企画をいただきました。「顎関節症におけるセルフケアをマスターする!~セルフケアの基本。臨床。チームアプローチ~」というタイトルで、プロフェッショナルケアとともに顎関節症治療の双璧であるセルフケアを取り上げ、各講師にそれぞれ異なった視点からご講演いただきます。シンポジウム3では、「顎関節疾患罹患により変化した下顎位に対する対応」と題したシンポジウムを企画しました。顎関節症を中心とする顎関節疾患罹患の結果として生じた下顎位の変化にどう対応するかについて補綴学的ならびに外科学的視点から考えるシンポジウムとなっています。本テーマは昨年10月に行われた第48回学術講演会でも取り上げられましたが、きわめて重要なテーマであることから、再度シンポジウムのテーマとして取り上げさせていただきました。シンポジウム4では、「咀嚼筋痛障害-わかっていること、わかっていないこと、それからの治療戦略-」を、日本口腔顔面痛学会との合同企画で開催します。その病因、病態、正しい治療法いずれをとってもわかっているようでわかっていない咀嚼筋痛障害について、最新の研究成果や文献的エビデンスをもとに深く掘り下げるシンポジウムとなる予定です。シンポジウム5は「顎関節強直症に対するアプローチ」と題して顎関節強直症の治療法に関する最先端の内容をお届けいたします。それぞれのシンポジウムの座長、講師をお引き受けいただいた先生方には紙面を借りて厚くお礼申し上げます。座長ならびに講師の先生方もこの挨拶文の中でご紹介申し上げるべきところですが、人数も多く、紙面も限られていますことから割愛させていただきます。学術大会プログラムをご参照いただけると幸いです。

さらに、教育講演として2つの企画を準備しました。教育講演1は、「睡眠時ブラキシズムの診断と管理における歯科医師の役割」のテーマで、わが国における睡眠時ブラキシズム研究の第一人者である大阪大学大学院歯学研究科教授の加藤隆史先生にご講演いただきます。睡眠時ブラキシズムの疾患概念も少しずつ変化してきており、睡眠時ブラキシズムを歯科医師はどう取り扱うべきかについて正しい情報をご教授いただきます。教育講演2では、医療統計の専門家で、歯科医療の分野でも熱心にご指導いただいている大阪市立大学大学院医学研究科医療統計学講座教授の新谷 歩先生に、「臨床データの統計解析 -多変量・クラスタリング・非線形解析の実践-」についてお話しいただく予定です。従来の統計手法から一歩進んだ多変量解析の取り扱いについてわかりやすくご解説いただくことになっています。ご期待ください。

このほかにも、若手の会のイブニングセミナー(タイトル「若手臨床医に向けて~顎関節疾患に対する治療戦略と臨床・基礎研究の最前線~」)や一般口演、ポスター発表、認定医ポスタープレゼンテーション、平成31年度覚道健治賞受賞講演、指導医講習会、ハンズオンセミナー(DC/TMDの診断法)など、盛りだくさんな企画を用意しております。7月初旬の初夏の季節を迎えた古都「京都」で皆様にお目にかかれることを心待ちにしております。

なお、オリンピック開催直前であり、観光客が多いことが予想されるため、ご宿泊の予約は早めにしていただくことをお勧め致します。